やっぱ男だったらメルヘンチックに生きなきゃ意味がない。

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だから俺は休みの度にカメラを持って、不思議の国へ足を踏み入れる小動物なのだ。

流行が終わってしまったバタフライナイフも、メリケンサックもスタンガンもいらない。もちろんダッチワイフだって。
必要なのは歩きやすいシューズに読みかけの小説、そして君の言葉。
どこまでも冒険家らしく、どこまでも快楽主義者として。

俺はいつものようにシャガールのステンドグラスが放つヒカリを通り抜け、そのカフェに入った。
コーヒーとチョコケーキ。
そして今日は仲間も一緒。サルサダンサーとシンクロのコーチ。俺はこの国のガイド役。
世界共通な不思議の国。

オレンジ色の店内には星型のライトがぼんやりと夕焼け色に照らしている。
ショーケースには美味しそうなケーキと不味いサンドイッチが並んでいる。どれも美しい。

奥の窓側の席は喫煙席になっていて、そこでは道に迷ったジプシイ達が寒さをしのぎマリファナを吸う。
んなわけない。
黒髪のフランス系女性が気品高そうにカプチーノと雑誌で午後の黄昏。
まぁそんな感じ。

俺は思った。
世界は不思議なことだらけ。意味があるのか無いのか、幸せか不幸か。
だけど言えることはヒトツ。
「不思議の国もわるくない」

そう、迷ったときはガイドの俺に聞いてくれ。
地図のような珈琲を、君に淹れよう。