dada_2.jpg俺はいつものように旧市街を歩き、その場所に向かった。

「 Cabaret Voltaire 」

3週間ぶりのその場所は前回来たときと空気が少し違って感じた。ん、何かが違うと、息を呑んで入り込んだ俺。
そこはDADAの世界だったのだ。

1916年、2月5日にトリスタン・ツァラがDADA宣言をしたこの場所。
そしてここは今、新しい旋風を巻き起こそうとしているに違いなかった。

DADAとSWATCHが手を組んで、新しいアートは始まっている。

みんなこれ買ってください。
この売り上げはDADAの新しい施設、活動のための運営資金になるそうです。

そしてこの時計にはツァラが気ままに作った数字が刻みこまれていて、
それは2個と同じものがない。
これを持った瞬間に、君もDADAISTになれるのだ。もちろん俺は買った、だって自称DADAISTだからね。

dada_traces_2.jpgまぁ、宣伝はこの辺にしといておこう。
俺はDADAの回し者でも何でもないし、ねずみこの職歴もないのだから。

俺は、いつものようにヴォルテールのカフェでエスプレッソをオーダーした。
そしてその薄いエスプレッソが俺の口に入る頃、向こう側にいた客達が騒ぎ出した。
見るからにアーティストらしい斬新な格好の彼らは、意味のない言葉を意味のないリズムのようなものにのせて声に出し、そして魂そのものを訴えていた。

これはまさにDADAの原点であり、ここキャバレーヴォルテールの本来の姿なのだと思った。
いいもの見せてもらったよ。
おかげで今夜も、いいDADA現象が起きそうだ。